「同じ場所でエギングをしていても、イカを釣る人と釣れない人がいるのはなぜか?」
結論として、エギングで釣る人と釣れない人の違いは「見えない水中でいかにエギの動きをイメージできているか」。が大きなポイントです。
リビングの壁には色んなエギがズラリ(実家は親が漁師)

私は鹿児島生まれで、漁師の親父の影響で小学生の頃にエギングを始め、気づけば30年—ずっとイカと戯れてきたアマチュア釣り人です。始めた当初は、磯竿に船用の木製エギを組み合わせて試行錯誤しながら釣っていました。
オモリをペンチで切ったり、地面で削ったりして、フォールの姿勢や沈む速度を調整したりしていたのが懐かしいですが、今はそんな調整された使いやすいエギがすぐに手に入ります。いい時代になりました。

本記事では、これまで私がエギで数え切れないほどのアオリイカを釣ってきた経験をベースに、「動作の捉え方」はもちろん、釣果に直結する「水中イメージの組み立て方」やエギングの実践テクニックまで、文章を通して解説していきます。
たにせん友人にレクチャーする感覚で書いているため、肩の力を抜いて“参考書”くらいの気軽さでこの記事を読んでいただければうれしいです。
【核心】エギングは「水中イメージを実現する釣り方」で釣果が決まる

「操作しやすいタックルや軽いリール、そして軽快にかっこよくしゃくる」。確かにしゃくりやジャークも重要なアクションの一つではあります。
ただし、それよりも「水中のエギがどう動いているか」想像し、「イカが抱く」エギの動きをアングラーがそのまま再現できているかが最も重要です。
イカがエギを抱く瞬間
これを見ると分かるかと思いますが、「しゃくりやジャークの動作」はさほど重要ではなく「エギの姿勢や沈むスピード」がキーポイントとなるのが分かるはずです。
エギの水中イメージとイカの反応
| 操作・アクション | エギの動き | イカの反応 | 釣果(HIT)対する重要度 |
|---|---|---|---|
| しゃくり | 左右もしくは上にダート (ぴょんぴょん跳ねる) | エギから離れて様子を見る | |
| 巻き or さびく | 姿勢をまっすぐに進む | ゆっくり近づく or エギを抱く | |
| テンションフォール (糸を張って待つ) | 頭を下に向けてゆっくり落ちる | ゆっくり近づく or エギを抱く | |
| フリーフォール (糸を緩めて落とす) | 頭を下に向けて素早く落ちる | 素早く近づく or エギを抱く |
たにせん先ほど紹介した水中映像のようなエギの動きを、釣り人である私たちがどれだけ滑らかに再現できるか——その再現性こそが、イカをいち早く引き出す近道になります。
エギングの【しゃくり】は糸フケを使う

エギングの「しゃくり」や「ジャーク」は先程伝えた重要な【食わせの間】となるフォールに移行する前の、アクション操作です。
ドラグの調整も必要ですが、しゃくりやジャークをする前に糸のたるみ(スラック)を利用するのが重要です。


これでエギの動きが、逃げ惑うエビや小魚ように、左右にダートするような動きを演出します。
ここでドラグの設定次第ではエギの移動幅を最小限に抑え、じっくりと誘うかスピーディーに誘うかを調整できます。
エギングの【フォール】でイカがエギを抱く「10秒間」

今まで何度もアオリイカをヒットさせてきた経験から、しゃくりやジャークからフォールへ移行した後は「10秒以内」にイカがエギを抱く重要な時間です。
早い場合はフォールから5秒以内、遅くとも10秒以内です。それ以上のカウントではボトムステイ時にチャンスがあるぐらいなので、イカがエギを掴む10秒以内は特に感覚を研ぎ澄ませておく必要があります。

たにせんもちろんこのフォールはテンションフォール、フリーフォールどちらも同じです。もしも10秒以内にアタリやHITに繋がらなければ、再度しゃくり直して再びフォールであたりを待つことを繰り返します。
もちろんボトム(底)付近を狙っている場合は、10秒のカウント前に着底するパターンもあります。そのため、エギを着水させてから底へ何秒で着底するかもしっかりとカウントして把握しておくことも大事になります。
シャロータイプのようにフォールが遅いエギを使う場合、深場では10秒以上フォールさせることもあります。一方で、サーフのような浅場では5秒ほどで十分など、ポイントの水深や使うエギによって最適なフォール時間は大きく変わります。
エギングの【状況判断】潮と風を読み、イカの居場所を特定する

エギングでもっとも早く釣果につなげるためには、闇雲にキャストしていても意味がなく、同じ立ち位置でも少し横へ投げれば操作中に抵抗が出てくる場所を確認できます。
潮の流れの強弱を読む方法
| 潮が強い場合 | 潮が弱い場合 | |
|---|---|---|
| しゃくり時 | ・いつもよりドラグが出る ・根掛かりのような重み | エギの重みだけ感じる |
| フリーフォール時 | ・糸が素早く出ていく (強い流れで押し出す) ・糸が出ていかない (強い流れで手前に流れている) | 糸がゆっくり出ていく (エギの重みだけで落ちている) |
風向きとライン(糸)の調整も重要
エギは特に風によって広がったラインに引っ張られて、任意のポイントへ落とし込めないケースも多いです。向かい風や追い風ならあまり影響を受けにくいですが、特に横からの風には注意。

たにせんもしも横から風が吹き付けている場合などは、風上へ向かって投げてラインに引っ張られることを考慮しながら落としていくなどの工夫が必要になります。
横風の対策
| キャスト後 | フォール時 | |
|---|---|---|
| ロッドの調整 | ロッドを風上に向け糸をなるべく早く水中へつける | 時折、軽くしゃくりエギとラインを一直線にしてラインの広がりを最小限にする |
| リールでの調整 | ラインが広がりすぎないよう素早く糸フケを回収する | ベールとラインを挟みながら糸の広がりを最小限に抑えつつ落とし込む |
エギング【タックル】「軽さは武器」意のままに操るためのセッティング

エギングタックルはあれこれ使ってみて、水中の情報を拾いやすく、操作性を重視するのであれば以下のセッティングが理想です。
| エギングに最高のバランス (あくまで筆者の所感) | |
|---|---|
| ロッド | 長さ:8〜8.6ft 重量:70〜100g ティップ:ソリッド/チューブラどちらでも |
| リール | 巻取り長さ:75〜85m/1回転 重量:150〜180g |
| 道糸 | PE:0.6 |
| リーダー | フロロカーボン:2.5〜3号 |
このセッティングにたどり着くまでに、色んなエギングロッドやリール、ラインの太さなどを使ってきましたが、
- 「スムーズにフォールへ移行させる操作性」
- 「繊細なイカのあたりに気づく」
- 「長時間でもしゃくり疲れない」
エギングを快適に、そして何よりもイカを釣り上げる近道になる組み合わせだと私的には考えています。
エギングに使用中のタックル
エギゾースト 3G

70g台の軽量で高級ロッドに採用される「トレカ®T1100G」カーボンを使用し、しゃくりやキャスト後のブレも少なく感度も非常に高い2万円以下のハイコスパなエギングロッド。
エメラルダスMX

アンダー100gで、ダイワの上位グレードのテクノロジーを取り入れたベーシックエギングロッド。長らくエギンガーに愛されているモデル。
参考記事

ルビアス

モノコックボディの強靭ボディで、ドラグ性能、巻いて止めるのスムーズな操作感、エギング実釣において文句無しのリール。
ヴァンフォード

軽快さやレスポンスが向上し、ギアの耐久性も上がっているエギングに適したコスパに優れたリール。
参考記事

エギングタックルにおいての私の考えをまとめると以下のようになります。
- ロッド+リールの全体が軽ければ軽いほど、水中の情報を拾いやすく、操作性も向上する。
- 推奨ラインシステム:PE0.6号、リーダー3号。これが自分なりのベストバランス。
私のおすすめのエギの王道バリエーション・カラーチョイス

色んなメーカーのエギがありますが、私なりによく使っている種類のエギとカラーチョイスについて説明します。
エギのチョイスは状況に応じて以下のように考えています。
- カラーについて:派手めのカラー、地味な色のカラー2種
- サイズについて:深場は3号〜3.5号、小型が多いなら2.5号を合計3つのサイズ
基本的にはこのカラー展開でサイズ2つずつの合計6種のエギを持っているだけで良いと思います。
たにせんさらに、強くアピールするためにラトル入りのモデルもありますが、すでに人が入っているポイントでは出番は多くありません。むしろイカに警戒心を与えてしまい、かえって釣果が伸びにくくなるケースもあります。
到着した時点ですでに数人のエギンガーが入っているような状況では、派手なカラーは最初から使わず、ナチュラルカラーやフォールスピードがやや遅めの3号・2.5号から入ることが多いです。

到着した時点ですでに数人のエギンガーが入っているような状況では、派手なカラーは最初から使わず、ナチュラルカラーやフォールスピードがやや遅めの3号・2.5号から入ることが多いです。
選定するエギにおいての私の考えをまとめると以下のようになります。
- スレたイカや夜間にはナチュラルカラーやケイムラが効く。
- 釣果優先なら3号以下のエギを使う選択肢も持つ。
- 周りにいるアングラーと同じようなカラーやサイズのエギを投げない。
3つに絞る。圧倒的おすすめのエギ
エギ王K ブルーポーション

日中でも夜間でも、イカが擦れている状況でもなんとか抱かせることができる最終局面で私がいつも使うエギ。ケイムラ下地で薄暗い場所でもナチュラルにイカへ存在感を示すことができます。迷ったら3号。
エギ王SEARCH ブルームピンキー

釣り場について、誰も居ない状況やフレッシュな回遊を狙い撃ちするならラトル入りでフラッシングでアピールできるエギ王サーチ。カラーはこのピンクが私的一番つ入れています。
エギ王K ムラムラチェリー

ブルーポーションに続いて、これも釣れているカラーの一つ。ケイムラ下地で厳しいコンディションの中でもなんとかイカを引き出してくれるお気に入りのエギ。
ここではエギ王シリーズのみの紹介ですが、他のメーカーのエギでもカラー(下地)、サイズ展開があるので、好みのエギをチョイスして良いと思います。
みんなが使っているエギをアンケート調査
【まとめ】エギングはイメージ通りに操作できた時に釣れる



エギングにおいて少し大雑把な解説だったかもしれません。
ただし、ここで伝えたかったのはイカをなるべく早く釣り上げるためには「水中でどのように動いてイカがエギ抱くか?」をしっかりとイメージしてその動きを再現できるかにかかっています。
どういう動かし方をすれば、イカがエギに反応してくれるのか、そしてどの姿勢で待つとイカが抱いてくれるか、を何度も水中映像などを見返してみてください。
もちろんイカが目の前に居て、サイトエギングができる状況ならなお練習として最高ですが、なかなかそういう状況に巡り会えるのは稀です。
たにせんまずは足元でエギが見える状態のまま、動かし方を何度も確認してみてください。その感覚を遠投先でも再現できるようになると、エギを思いどおりに操作できるようになり、イカを釣り上げるための大きな一歩になります。





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