キジハタ(アコウ)のワームを使った釣り方やアクションの操作方法を図を使って詳しく解説します。
また釣果を圧倒的にあげるためのポイント選びや投げる位置などについても実釣してきた経験からまとめていますので、参考にしてみてください。
私は鹿児島の漁師家系の人間で釣りは幼少期からやっています。ただしプロではありません。自分の長年の経験による釣り方やパターンの内容で解説しているので参考程度で見てください。
キジハタをワームで釣るアクションやローテーションの考え方
ここではホッグワーム・クローワームなどの甲殻類ワームをメインで使ったキジハタを釣るためのアクション方法や状況を把握した釣り方について解説します。
また反応がない場合の探り方やワームやシンカーのローテーションの流れも重要なのでチェックしてください。
アクションのやり方
キジハタの釣り方は小魚系のシャッドテール系もありますが、どちらかというと甲殻類系ワームをボトムまで落としてから「リフト&フォール」もしくは「ボトムバンピング」で狙ったほうが確率は高いです。
リフト&フォール(高活性時やマズメ時)
着底したら余分な糸ふけをリールで回収して、すぐさま同じく竿をリフトして着底まで待つというやり方です。
ボトムバンピング(低活性時や夜)
ボトムバンピングは竿をちょんちょんちょん、と小刻みに跳ねさせて着底までテンションフォールもしくは竿をゆっくりと倒しながら着底させます。
ボトムズル引き(日中・低活性時や夜)
砂地に岩が点在するような場所であれば、ゆっくり底を感じる状態のスピードでズル引きを行い、岩などの引っ掛かりを探知したら軽く竿をシェイクして根を交わし再びズル引きを行う誘い方です。
ボトムバンピングや根をかわす操作はロッドを振るというよりは手首の動きで軽く穂先を揺らすようなイメージです。
ボトムバンピングはロッドの穂先を跳ねさせるようなアクション
日中の低活性時でもボトムバンピングがもっとも有効で移動距離も抑えられるので、一番魚がヒットする割合が高いです。
これはスピニングタックルでもベイトタックルでもアクション操作は同じです。
朝マヅメなどの高活性時はリフト&フォール、マズメ時以外や夜などキジハタが動き回らないときにはボトムバンピングという使い分けが良いでしょう。
フォール時はロッドをなるべく倒して待つ
キジハタなどのハタ系の口は特に上顎などは硬いため、アタリが出た後に十分にフッキングさせなければかかりが甘くバラしてしまう可能性があります。
ロッドが高い位置でフォールで待っているとアタリが出た場合にフッキングまでのストロークが短いため、キジハタの口へかかりにくい場合がある。
フォール時にロッドの角度が低い状態だとフッキングまでの十分なストロークを稼げるため、キジハタの硬い上顎などにしっかりとフッキングを決められる可能性が高くなる。
もちろんフッキングを行う前にリールを巻いて十分に糸ふけを取る動作も入りますが、それでもフッキングのストロークが短いとかかりが浅い場合もあります。
フッキングがしっかり決められるは大きな要素で、短い時合の中、少ないアタリを「バラシて逃すか」「掴み取るか」でその日の釣果に大きく影響してくるでしょう。
よってフォール時のアタリを待つ際には、たるんだ糸ふけ分も考慮しつつ、ロッドをあおるストロークの長さに余裕をもった状態でフッキングの準備しておくのが良いと思います。
例えばロッドの長さが9ftを超えるロングロッドであればそのストロークの長さを活かしフッキングを決めやすいです反面、浅場での操作性が悪くなるなどのデメリットもあります。
フォール時のロッドの角度を常に意識していれば、少ないチャンスをものにしキジハタをゲットする近道となるので、色々試してみることが大事です。
流れの上流へキャストする
何度か投げて回収してくると投げ込んだ場所から左右どちらかの方向から仕掛けが返ってくるのが分かるかと思いますが、その流れの上流部に向けてキャストして探ることが大事です。
例として満干による潮が動いている方向が左から右であれば、左側に投げてから流れに乗せて探っていくようにするとボトム感知もしやすいです。
よって潮下にキャストして寄せてきてもキジハタが反対側を向いているので、そのワームの存在に気づくことがなくバイト(喰わせる)のチャンスを得られません。
これはロックフィッシュに限らずルアーを使った釣りにおいてはほとんどのケースで当てはまる考え方で、流れがどこからどこへ向かっているかを把握したうえでその上流から流すように誘っていくことが重要です。
立ち位置からポイントを細かく探る
ルアー釣りの基本では立ち位置から扇状に探っていくという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
イカや青物などのような回遊性の高いターゲットとは異なり、特にキジハタのような根魚は動き回る範囲が狭いため、他の釣りよりも更に細かく扇状に探っていく必要があります。
また隠れ家となるボトム(底)の形状によっては数センチ横にずれるだけでキジハタが潜むポイントにたどり着くという事も多いので、根魚は基本的に細かくポイントを探すようにしましょう。
ボトムがゴツゴツした場所を重点的に探る
ボトムへの着底で色々探っていると「ゴツゴツ」「ガガガ」と行ったように、底質の違いを感じるかと思います。
ボトムの底質・感触 (シンカーの着底時や竿先で把握する) | |
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出現率が高く狙うべき場所 | コツコツ・ガガガ・ジョリジョリ |
出現率が期待できない場所 | ストン・フワッ |
今までの実践の経験から「いかにも根掛かりそうだな・・・」という感触を感じるポイントを中心に探っていくことがキジハタへ出会う確率が高くなります。
シンカーの重さは状況に応じて変える
アクションによる浮き上げから瞬時に着底してしまう場合は、シンカーが重すぎてゆっくりフォールで誘えていない可能性もあり、根掛かりのリスクも高くなります。
その場所や潮の強弱にもよりますが「アクションから着底まである程度秒数があり、底をギリ感じれるかの重さ」に調整すると釣果につながりやすいです。
水中の中のシンカーの重量イメージ
フォールから着底までのイメージ | |
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ダメな例 | ヒュー(フォール)▶ ストン(着底) ※アクションから1秒程度ですぐ着底する |
良い例 | ふわ~(フォール)▶・・・ぽこorフワっ(着底) ※アクションから2秒以上でゆっくり着底する |
潮の流れが効いている場所であれば着底までワンテンポ置いてゆっくり誘えますが、そういう状況でないと判断した場合はなるべく軽くして調整することが大事です。
ワームのローテンションも細かく行う
キジハタはボトム付近をゆっくり探っていく釣りがメインとなりますが、使っていくワームのローテーションはこまめに行なっていくのが良いです。
そのため時合が短いハタ相手に1つのカラー+シルエットで通していくよりも複数の色+複数のシルエットで探っていくほうが釣果につながる確率は格段に上がります。
1つ目のワームと色で反応が食わなければ、次にワームを変えた瞬間に食ってくるという経験は何度もしているので、その日によってキジハタが反応してくれるワームが異なるというのは間違いありません。
- 色を変える
- シルエットを変える(別のメーカーワーム)
- シンカーの重量を変える
- アクション方法を変える
シンカーの重さやアクション方法を変えるまでにワームのローテーションを先に行っていくのが効果的なことが多いので、これらを念頭に入れておいた上でキジハタを見つけていくのが良いです。
キジハタにおすすめのワーム
私が普段から使っているキジハタにおすすめの主要のワーム一覧です。
上記のワームでカラーが数種類用意しておき、実釣時にはそこにキジハタ居れば引き出せる信頼しているワーム軍です。
キジハタをワームで釣るならポイント選びと時間帯が最重要
キジハタはアカハタやオオモンハタに比べると地域によってはかなりレアなターゲットでもあるため、場所(ポイント)選びがかなり重要です。
産卵期である6月〜夏終わりにかけては特に沖から手前の岩礁地帯まで産卵のために寄ってきますが、その場所はやはり岩場や隠れられるポイントが多いです。
- 底質がゴツゴツして根掛かりしやすい
- 沖から急に手前に駆け上がる場所がある
- 沖が浅く手前にかけて急に深く掘れている
- 砂地と岩礁が点在している
地形と海底に何があるかをアングラー側は潜って確認することは困難なので、シンカーで感じる振動や糸の出方、ロッドに伝わる情報でこれらを把握していき「キジハタが居そうな場所をイメージ」することが大事です。
水深が深く岩場をメインに
良型のキジハタをショアから狙うなら水深は5m以上、できれば10m近くはあるのが望ましく底がゴツゴツしている岩場・藻場であればなおさら良いです。
もちろん奥が砂地であっても手前に岩が点在するような場所、堤防であれば敷石やシモリがあればチャンスがあります。
私の感覚として10gのバレットシンカーの着底ま20〜30秒以上かかる深場で、アクション時になかなかの抵抗を感じる(水圧がかかる)場所、そしてボトムがゴツゴツ(障害物)を感じれば体感的にいい感じです。
「水深がある」+「流れや水圧が効いていて抵抗がある」+「ゴツゴツしている」という条件を満たしていればその場所に潜んでいる可能性が高いのでポイント選びの参考にしてみてください。
潮が効いているポイントを中心に攻める
キジハタが潜んでいそうな場所を選定したら、流れが効いているポイントを重点に狙っていきましょう。
投げるポイントを少しずらすと潮が効いている場所とそうでない場所が存在するのでその違いをいち早く察知することがキジハタへの近道です。
流れの強弱はワームをアクションで誘っている時にロッドに伝わる感覚である程度わかります。
- 「重みが乗っている感覚」=「流れが強く効いている」
- 「重みがなくスカスカ」=「流れが効いて無い」
という判断を行い、流れが強く効いているポイントを重点的に狙いましょう。
日が落ちてからが最も狙い目
また特にキジハタは明るい時間帯よりは夜に活動しやすいため、夜に釣れるパターンが特に多いです。
キジハタがメインで捕食活動をするのがやはり暗くなって1〜2時間経ってからではないかと思います。ただし地域によって異なるので日中でも釣れやすい九州以外であればこの時間帯は参考になるかもしれません。
朝マヅメもおすすめ
ほとんどの魚を狙うなら朝マヅメは鉄板ですが、アカハタやオオモンハタと比べるとキジハタは暗い方が反応がいいため朝に釣行を行う方は朝マヅメ直前の暗い時間帯(AM3時〜)が比較的狙い目です。
なるべくキジハタに出会う確率を上げるなら、夕マヅメの日が落ちたタイミングから深夜・朝方にかけての暗い時間帯を狙うのが最も効率が高いでしょう。
潮止まり前後の潮が動き出すタイミングが狙い目
何度もボトム付近を探っていると分かってくるのですが、リフト&フォールやボトムバンピングでいつもより重みを感じる時には潮が動いている場所・タイミングとなるのでその状況に差し掛かれば集中して釣りを実践しましょう。
もしも朝マヅメや夕マヅメのタイミングに釣りに行けない場合、この重みを感じる潮が動き出すタイミングは主に潮止まり付近で起きていることが多いです。
潮止まりでも稀に釣れることはありますが、それはタイドグラフなどの予報から現場での潮の動き出すタイミングがずれていたりなど多少の動きがおきている時だと思います。
キジハタをワームで釣るためのリグ(仕掛け)
キジハタのワームを使ったアクションはワームを装着する仕掛け(リグ)によっても大きく誘い方が変わってきます。
ここではキジハタをワームで釣るためのおすすめのリグ(仕掛け)について解説します。
①「テキサスリグ」
キジハタを狙うなら障害物のすり抜けが得意なテキサスリグで狙うのが定番となっています。
リーダー部分に「ストッパー(完全フリーならなくてもOK)」>「バレットシンカー」>「ビーズ」>「オフセットフック」の順に通して仕掛けを作ります。
ストッパーは必要ないかもしれませんが、フォールの時間を早くしたり流れが強くて直リグ仕様に後から変更したい場合などは調整ができるため、あったほうが便利です。
テキサスリグの利点は
- 「すり抜けしやすく根掛かりしづらい」
- 「フォールをゆっくり誘える」
という直リグやにはないメリットがありますが、逆にフックとシンカーまでに遊び部分のラインが出ているためフッキングを決めにくいデメリットもあります。
バレットシンカーは鉛タイプとタングステンタイプがありますが、「ボトム感知能力」「飛距離」「根掛かりのしにくさ」を考慮すると強度も高く小型化されているタングステンの方が有利です。
②「フリーリグ」
もう一つ目はワームをフリーにふわふわな状態で誘うことができるフリーリグです。
テキサスリグほどのすり抜け能力はありませんが、ボトムを中心に探るなら浮きにくく、ボトム感知と誘いが強いこのフリーリグもよく活用しています。
またこのフリーリグは状況に合わせて重さをチェンジしたい場合はバレットシンカータイプではなく、ワンタッチで交換できるルーディーズのロックゲームシンカーが非常におすすめ。
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もちろんこのフリーリグの予算を更に抑えたいのであればナス型オモリなどでも使うことができ、その場合は誘導式にできるリグスベルなどを活用すると良いでしょう。
③「直リグ(ジカリグ)」
もしもテキサスリグを作るのが面倒な場合や、その場でエギングなどを実践中で素早くロックフィッシュ用の仕掛けに切り替えたい場合などはスナップで切り替えられる直リグタイプのフックがおすすめです。
「根魚玉(ISSEI)」
根魚玉は球体をベースに8面体のメッキ塗装でフラッシングによるアピールと底面がフラットになっていて岩を乗り越えやすく根掛かりを軽減してくれます。
またフックはワーム内に隠れるオフセットフック仕様となっていて、ボトムをネチネチ探っても普通のジグヘッドに比べると根掛かり率は相当少ないです。
根魚玉+ハタ喰い蝦でキジハタ
エギングついでにスナップによるワンタッチ交換もできるため、気軽でかつ根掛かりしにくいジグヘッドとして私も常にボックスに忍ばせています。
波止場・テトラ・地磯なら7〜14g+#1フックがおすすめ
ジョイントノッカー(がまかつ)
根魚玉に続いておすすめできる根掛かりしにくいリグとしてがまかつのジョイントノッカーは更にコスパが良いです。
また根魚玉に比べてもプライヤーを使わずにワンタッチでオフセットフックも交換でき、一般的に使われるヨコアイのオフセットフックで気軽にフックサイズを交換できるのも良い点です。
もしも直リグオンリーで実践したいならボトム着底がギリギリ取れる軽いシンカーのジグヘッドを使い少しでもゆっくりフォールさせられる重要を選ぶ用にしましょう。
オフセットフックは#1〜2/0までがおすすめ
オフセットフックはワームのサイズによって変更する必要がありますが、甲殻類系の3インチサイズをベースとしたワームを使うなら#1/0〜#2/0のフックサイズがおすすめです。
フックの太さが細くて強い+安いカツイチのオフセットフックがおすすめ
ワームを再利用するなら次は太めのオフセットに変更するのもあり
また小魚系のワームや虫系の太めのワームを使う場合はオフセットフックサイズが#3/0やワイドタイプも用意しておくと便利です。
キジハタを狙うと他のハタも釣れる
キジハタを狙っていると外道としてアカハタやオオモンハタ、カサゴ、北のほうになるとソイやアイナメ、エゾメバル(ガヤ)等が釣れる場合もあります。
キジハタのワームによる釣り方のまとめ
キジハタは引きも強くロックフィッシュの中でもクエに続く高級魚で味も申し分なしの最高のターゲットです。
基本のワームは甲殻類を模したホッグワーム・クローワームを中心に赤系、緑系、オレンジ系のカラーバリエーションを用意して数種類のシルエットで誘っていくのが肝です。
まだキジハタに出会えていない方にとっては特に
- 流れが効いているポイントを重点に探る
- ワームのローテーションを細かく行う
- シンカーの重さをギリギリの軽さまで調整する
- 底がゴツゴツしているところを狙う
- 潮が動く時間帯や暗い時間を狙う
ということを繰り返していことで私がキジハタに出会えたようにどこかでチャンスが巡ってくるはずなので頑張ってみてください。
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